山下議員に対する懲罰特別委員会は、その設置を決定した時点でその構成員に中立性・公平性がなく、この時点で委員会そのものに正当性がありません。さらに、委員会の会議においては、懲罰理由の説明が省かれて質疑・討論も行われず、また反対意見はことごとく無視あるいは不当に否定されるなど、懲罰を科すことが妥当であるかどうかの審議はまったく行われていません。最終的には、実質的な審議を経ないで単に多数決によって懲罰が結論付けられるという、民主主義を無視した強引で恣意的な手順によって進行されています。
単に多数決で決めることが民主主義ではありません。論点を明確にした上で、反対意見・少数意見にも耳を傾けて尊重しながら議論を尽くし、その結果として多数決で結論を出すのが民主主義です。単に多数決で決めるのなら、独裁国家における議会やプーチンの意図通りに議決をするロシア議会と何ら変わりはありません。この懲罰特別委員会は、山下議員に対する懲罰動議を提出した多数派の議員が表面的な形式を繕って懲罰を決定しただけの不当な委員会であり、多数派議員による茶番劇としか言えないものです。正に、多数派による少数派・少数意見の抑圧そのものであり、民主主義国家である現代の日本で行われることがあってはならない暴挙です。
以下の項目ごとの検証において、この懲罰特別委員会の不当性を明らかにします。
検証4-1. 懲罰特別委員会そのものの不当性 ⇒ 検証の詳細
2021年12月10日の本会議定例会において提出された山下議員に対する懲罰動議には、全市議会議員28名中の22名の議員が署名しています。その結果、13日に開催された懲罰特別委員会では、10名の委員のうち委員長と副委員長を含む9名が懲罰動議に署名しており、懲罰特別委員会は設置された時点で中立性・公平性が確保されていない委員会になっています。このような懲罰特別委員会では公正な審議ができるはずもなく、最初から不当な懲罰特別委員会であることは間違いありません。
検証4-2. 本会議での懲罰動議の問題点 ⇒ 検証の詳細
12月10日の本会議において梶議員(提案者の一人、市民クラブ)から提出された懲罰動議では、動議理由は簡単で曖昧なものであり、山下議員と同会派の江本議員からの動議に対する質問に対しても明確な根拠・理由は示されないままになっています。さらには、浅原議長は、曖昧な答弁に対して注意することもなく、逆に江本議員の質問を遮る形で質疑を終了させており、公正な議会運営がなされていません。
検証4-3. 実質的な審議を省略し民主主義を無視した懲罰特別委員会の進行 ⇒ 検証の詳細
12月13日に開催された懲罰特別委員会では、本来あるべき懲罰提案理由の説明とそれに対する質疑が省略され、そのことに対する江本議員の疑問もことごとく退けられています。また、山下議員の弁明に対しては懲罰賛成派議員からの質問は全く出されず、文科省への聴き取りの報告に対しても賛成派議員からの質問は出されていません。その後は委員からの意見の陳述の後すぐに多数決に入っており、懲罰の関する実質審議は全く行われていません。これらの過程においては江本議員が多くの反対意見や疑問を述べていますが、深い議論は行われずに退けられています。結局、この懲罰特別委員会は、民主主義を無視した手順によって実質的な審議をほとんど行わずに単に多数決で結論を出すという、不当極まりないものになっています。
検証4-4. 懲罰動議の内容とは無関係の事柄を理由に含めていること ⇒ 検証の詳細
懲罰特別委員会では、懲罰賛成派の複数の議員が懲罰動議の内容とは無関係の山下議員の本会議での発言部分や過去の言動をあたかも懲罰の理由であるかのように挙げています。そのような懲罰の対象事由とは無関係の事柄は当然懲罰審査の対象になるはずもなく、委員の意見としては非常に不適切です。しかし、委員長は委員に対する注意もせずまた発言を削除することもなく、適切な対応を取っていません。