2023年11月28日に山下議員および代理人弁護士による記者会見が行われましたが、その際に代理人弁護士が、不当利得返還請求は成り立たないとの見解を示しました。以下がその概要です。

山下議員による不当利得が成立するためには、山下議員に利得があること、市に損失があること、これら利得と損失の間に因果関係が存在すること、そして利得に法律上の原因がないことの4つの条件を満たす必要があるが、以下の理由により不当利得は成立しない。

  1. 山下議員の利得は、問題の土地が沼津市から父親の植松氏へと売却され、それを相続したものであるから法律上の原因が存在する。問題の土地の売却(払下げは)複数の文書の存在から明らか。仮に売買契約が成立していないとされた場合でも、この土地については取得時効が成立しており、この点でも法律上の原因が存在する。
  2. 問題の土地は山下議員の土地に囲まれており、車の進入ができない形状の土地であるから、沼津市には損失はない。つまり、利得と損失の間には因果関係がない。
  3. 沼津市に所有権があるとされた場合でも、上記の事情の下では、山下議員は民法189条に規定される「善意の占有者」であり、駐車場の賃料およびその分の利息を沼津市に支払う義務は生じない。

「民法189条 善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。」

さらに、沼津市は植松氏からの土地収用に対する補償として、問題の土地を含め植松氏の所有地をアスファルト舗装している。問題の土地が市有地であるとしたら、その分の舗装工事は植松氏への補償とはならないため、市は植松氏(山下議員)に対してその分の工事費を支払う必要がある。